Neonatal clavicle
fracture in cesarean delivery: incidence and risk factors.
J Matern Fetal
Neonatal Med 2017; 30(14): 1689-92
帝王切開での新生児鎖骨骨折の発生率と危険因子を調べた韓国での後ろ向き研究
・帝王切開で出生した児における鎖骨骨折症例を抽出して, コントロール群と様々な因子について比較
結果
・全89367例の分娩中, 36286例が帝王切開であった
・90例(0.05%)の鎖骨骨折が発見された
・出生時体重≧4000gと母体年齢が帝王切開での鎖骨骨折に有意に関連していた
・以下の要因とは相関しなかった: 帝王切開の適応, 皮膚切開から娩出までの時間, 皮膚と子宮の切開の方法
・ロジスティック回帰分析では出生時体重が主な危険因子であることが示された
・新生児の鎖骨骨折は予後良好であり自然治癒するものであるため気づかなかった場合でも大きな問題にはならないと思われますが, 帝王切開で出生した児においても, 特に巨大児において鎖骨の診察は注意して行った方がよいかもしれません.
まとめ
・稀ではあるものの帝王切開で出生した児においても鎖骨骨折症例は存在し, 出生時体重≧4000gが危険因子として特定された個人的感想
・新生児における鎖骨骨折は珍しくはないものの, 一般的には巨大児での経膣分娩で発生すると印象があるために, リスクの低そうな児では注意があまり払われていない可能性があります. しかし実際にはリスクが低そうな帝王切開でも発生していることがわかります.・新生児の鎖骨骨折は予後良好であり自然治癒するものであるため気づかなかった場合でも大きな問題にはならないと思われますが, 帝王切開で出生した児においても, 特に巨大児において鎖骨の診察は注意して行った方がよいかもしれません.
関連記事
・新生児の鎖骨骨折全般についての分析と危険因子についての記事を後日紹介しています(追記: 2018/3/1)新生児の鎖骨骨折についての分析と危険因子
Neonatal clavicular fracture: Recent 10 year study. Pediatr Int 2015; 57: 60-3韓国における新生児の鎖骨骨折症例について分析した後ろ向き研究
0 件のコメント:
コメントを投稿