2017年8月14日月曜日

小児急性肝不全での乳酸値, 乳酸:ピルビン酸比

Lactate and Lactate: Pyruvate Ratio in the Diagnosis and Outcomes of Pediatric Acute Liver Failure.
J Pediatr 2017; 182: 217-22

小児急性肝不全における特定の疾患のスクリーニングとしての乳酸やピルビン酸値, および乳酸:ピルビン酸比(L:P)の精度の評価, および重症度や転帰との関連性を調べた後方視的研究
・乳酸値とピルビン酸値は同じ日に採血された患者を対象とした


結果
986人の参加者のうち, 110人で乳酸とピルビン酸値が同じ日に採血されていた
・参加者の登録時の年齢の中間値は2.0(IQR 0.5-4.8)であり, 63(57%)が男児であった
8(7.3%)が最終的にミトコンドリア疾患であり, 37(33.6%)がその他の確定した診断(その他の疾患群), 65(59.1%)が不明確な診断であった
3群間で乳酸値, ピルビン酸値, L:Pは同様であった
初期の乳酸値やL:P, 臨床的重症度の生化学的変数もしくは21日での臨床的転帰との間に有意な関連性はなかった
・乳酸値はその他の確定した診断群においてINRと関連していた(r=0.64, P<.001)
・ベースラインのASTALTはミトコンドリア診断群でより低かった


結論
乳酸値やL:Pの上昇はすべてのPALFの原因で一般的にみられ, ミトコンドリア疾患のスクリーニングとしても精度は低い. また重症度や転帰とは関連性はみられなかった

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