腹部X線と便秘症
・腹痛を認める小児患者において"腹部X線で便塊が認められる"という状態で便秘症と診断される傾向はありますが, 実際には診断的検査の特徴が乏しいとされ(Arch Pediatr Adolesc Med 2005; 159: 671-8), 多くの機関で, 便秘症に対する腹部X線のルーティーンでの使用は推奨していません
小児における便秘症と,
臨床的に重要な診断の変更がなされた3日での再受診との間の関連性を調べた多施設後方視的研究
・主要評価項目: 臨床的に重要な診断の変更がなされた3日での再受診
結果
・便秘症の小児の65.7%(185439/282225)で救急外来受診時に腹部X線が施行されていた
・3日での再受診は3.7%でみられ, 0.28%で臨床的に重要な診断の変更がなされていた
・3日での再受診での臨床的に重要な診断の変更で最も頻度が高かったものは急性虫垂炎(34.1%)
・腹部X線施行された小児は臨床的に重要な診断の変更がなされた3日での再受診をする可能性が高かった(0.33% vs 0.17%)
・3日, 7日, 30日での再受診において, 30日での診断の変更を伴う場合を除いて, 腹部X線施行された小児で有意にリスクが高かった
・共変数の調整後, 腹部X線施行は臨床的に重要な診断の変更がなされた3日での再受診と関連していた(aOR 1.39)
・主要評価項目に関連する更なる特徴としては麻薬性鎮痛薬(aOR 2.63), 制吐薬(aOR
2.35)の投与, および基礎疾患(aOR 2.52)が挙げられた
まとめ
・腹部X線の施行や, 鎮痛薬・制吐薬の使用などの介入を要するような患者では, その他の診断の可能性がより高いと考えて注意すべきであろう
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