2017年8月13日日曜日

妊娠中の母体への抗菌薬投与と児の中耳炎のリスク

Antibiotics in Pregnancy Increases Children’s Risk of Otitis Media and Ventilation Tubes.
J Pediatr 2017; 183: 153-8

母の妊娠中の抗菌薬摂取と子供での中耳炎(OM)の発症および鼓膜チューブ留置との関連性を評価したデンマークでの前方視的研究
Copenhagen小児喘息前方視的研究2010非選択的出生コホート研究における小児700人からのデータが使用された




結果

514人からはOMのエピソードに関する情報が得られて分析が行われた
・鼓膜チューブ留置に関しては699人で分析が行われた
37%の母で妊娠中に抗菌薬を投与されており, OM発症のリスク上昇と関連していた(調整ハザード比 1.30)
3歳までの鼓膜チューブ留置の頻度は29%であった
67%がこの期間に1回以上のOMのエピソードを有していた
・鼓膜チューブ留置のリスクは特に妊娠第3で関連していた(調整ハザード比1.60)
・OMのリスクは治療の回数とともに上昇していた, 鼓膜チューブ留置との関連性は調整後では有意ではなかった
・妊娠後1年での母の抗菌薬使用は関連性がなかった




まとめ

・妊娠中の抗菌薬治療は中耳炎や鼓膜チューブ留置のリスクを高めていた


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ちなみに鼓膜チューブ留置の割合は29%と高いですが, デンマークでは知られている現象のようです(PLoS One. 2016;11 : e0165657)

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