Impact of
influenza vaccine on childhood otitis media in Taiwan: A population-based
study.
PLoS One 2018; 5:
13(1): e0190507
小児急性中耳炎(AOM)におけるインフルエンザワクチンの影響を検討した後方視的研究
・10歳未満の小児803592人のデータがあるデータベースを用いた台湾での後方視的研究
・注射での3価インフルエンザワクチン(TIV)の導入前後での, それぞれのインフルエンザシーズンにおけるAOMの発生率は鼓膜チューブ挿入率を分析
・対象期間: 2000年10月-2007年3月
・PCVの交絡を避けるため, PCVが一般的ではなかった2007年以前を対象とした
・2004年以降, 台湾では6-24か月の小児では無料のインフルエンワクチン提供プログラムが開始となった
結果
・対象期間中に49038人の小児がAOMで117591回外来受診していた
・季節性AOMの平均発生率:
・TIV接種が無料となる前(2000-2003年): 58.9エピソード/1000人シーズン(95%信頼区間[CI] 55.6-62.1)
・2歳未満で最も高かった(98.4エピソード/1000人シーズン) (95%CI 96.4-100.5)
・2-4歳: 61.7エピソード/1000人シーズン(95%CI 60.7-92.6)
・5-9歳: 28.6エピソード/1000人シーズン(95%CI 28.0-29.1)
・TIV接種が無料となった後: 67エピソード/1000人シーズン(95%CI 63.4-70.6)
・2-4歳で最も高かった(71.7エピソード/1000人シーズン) (95%CI 70.2-73.1)
・2歳未満: 66.1エピソード/1000人シーズン(95%CI 64.0-68.1)
・5-9歳: 33.8エピソード/1000人シーズン(95%CI 33.1-34.4)
・TIV導入後, 2歳未満でのAOMの発生率は32.8%低下した
・2-4歳および5-9歳ではAOMの発生率はそれぞれ16.2%, 18.2%上昇していた
・2歳未満の小児において, 2004-2006年のインフルエンザシーズンでは2000-2003年シーズンよりもAOMでの外来受診数は有意に少なかった(発生率比[IRR] 2004年0.71, 2005年0.61, 2006年0.57)
・2-4歳および5-9歳の小児では2004-2006年のインフルエンザシーズンは2000-2003年シーズンよりもAOMの発生率は有意に高かった
・2歳未満の小児で, インフルエンザワクチンの接種数が増加とともに, 2004年と比較して2005年, 2006年ではAOMでの外来受診数は減少した(IRR:
2005年0.85, 2006年0.80)
・鼓膜チューブ留置率はワクチン無料プログラム導入前後で有意差はなかった
まとめ
・6-24か月の小児でインフルエンザワクチンの無料プログラムを導入して接種数が増加するとAOMの発生率は有意に減少した
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