Febrile status epilepticus due to respiratory syncytial virus infection.
Pediatr Int 2017; 59: 878-84
Respiratory syncytialウイルス(RSV)感染症が原因の熱性けいれん重積について後方視的に評価した研究
・症例は3歳以下の熱性けいれん重積でRSVの迅速検査が陽性であった患者を対象とした
・RSV陰性であった患者と比較した
結果
・RSV感染症の検査を施行された熱性けいれん重積患者は99人特定された
・RSV陽性群(n=19)のうち3人, RSV陰性群(n=80)のうち4人が細気管支炎をきたしていた
・気管内挿管や抗けいれん薬治療の頻度はRSV陰性群と比較して陽性群で有意に高かった
・RSV陰性群の患者全員が完全に回復していた一方, RSV陽性群では6人の患者が脳症を発症して重度の神経学的後遺症を残した
・5人は片麻痺か四肢麻痺を伴う重症の認知障害をのちに発症した
・3人の患者は二相性けいれんと遅発性拡散能低下を呈す急性脳症(AESD), 3人の患者は出血性ショックを伴う急性脳症(HSES)と診断された
・6人のうち5人において, 拡散強調MRIで皮質下白質病変を示していた
・鼻咽頭スワブで患者94人のうち7人がインフルエンザウイルス陽性であった
・6人は完全に回復したが, 1人はRSVとの重複感染症で認知障害をきたした
・発熱と解熱後の発疹の病歴に基づいて診断された突発性発疹は29人でみられた
・28人は神経学的後遺症なく回復したが, 1人はRSVとの重複感染症で四肢麻痺をきたした
・RSV陰性群と比較して陽性群では神経学的後遺症の頻度が有意に高かった(21% vs 2.5%; OR 10.4)
まとめ
熱性けいれん重積患者においてRSV陽性群ではより重症で, 後遺症を残すリスクがあるかもしれない
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