2018年6月26日火曜日

在胎週数とADHDの症状との関連性

Association of Gestational Age at Birth With Symptoms of Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder in Children.
JAMA Pediatr 2018 Jun 25


・早産児はADHDのリスク上昇と関連している
 ・近年ではメタアナリシスでも示されている(Pediatrics 2018; 141(1): e20171645)

出生児の在胎週数と幼児期と学童期におけるADHDの症状の間の関連性について検討したノルウェーでの前向き研究
・測定されていない遺伝的および環境の危険因子について調整した
・前向き集団ベースコホート研究
・1999年1月1日から2008年12月31日に妊娠女性が研究の対象として採用された
 ・参加率は41%
・妊娠に関連するアンケートのデータは在胎17週と30週, および生後6か月で収集された
・出生後に関連するアンケートのデータは5歳と8歳で収集された

・児が5歳の時にConner’s Parent Rating Scale-Revisedの12項目を用いてADHDの症状を評価した
・児が8歳の時にParent?teacher Rating Scale for Disruptive Behavior DisordersからのADHDに関連したDSM/IV項目を用いて症状を評価した
・測定されていない遺伝的および環境の危険因子については兄弟での比較, および性別を合わせた上での兄弟での比較により対処された




結果

・小児113227人が対象となった
 ・在胎40週で出生した児は31708人(28.0%)
在胎40週で出生した児と比較して在胎34週未満の早産児では症状のスコアの平均値が有意に高かった:
 ・5歳でのスコア: 0.24SD
 ・8歳での不注意のスコア: 0.33SD
 ・8歳での多動のスコア: 0.23SD
危険因子での調整後の推定値でも在胎34週未満の早産児の症状のスコアの平均値は有意に高かった:
 ・5歳でのスコア: 0.15SD
 ・8歳での不注意のスコア: 0.31SD
 ・8歳での多動のスコア: 0.16SD
測定されていない遺伝的および環境の危険因子の調整後でも在胎34週未満の早産児の以下の症状のスコアの平均値は有意に高かった:
 ・5歳でのスコア: 0.32SD
 ・8歳での不注意のスコア: 0.31SD
・8歳での多動のスコアはわずかに低かった(-0.03SD [95%信頼区間(CI), -0.32〜26.0]]
正期産の姉妹と比較して在胎34週未満の早産児の女児ではスコアが0.8SD高かった(95%CI, 0.12-1.46)




まとめ

・測定されていない遺伝的および環境の危険因子の調整後でも, 在胎34週未満の早産児は5歳でのADHDのリスク上昇と関連しており, 8歳での不注意のリスク上昇とも関連していた

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