2018年1月15日月曜日

菌血症を伴った尿路感染症の若年乳児における画像所見異常

Urinary Imaging Findings in Young Infants With Bacteremic Urinary Tract Infection.
Hosp Pediatr 2016; 6(11): 647-52

菌血症を伴った尿路感染症(UTI)に罹患した若年乳児における異常な画像検査所見について検討した後方視的研究

3か月未満で菌血症を伴ったUTIに罹患した小児の多施設サンプルからのデータを後ろ向きに検討
 ・尿培養と血液培養で同じ病原体が特定されたものが対象
・発症時に既知の尿路異常がある場合, ICUへの入院を必要とする場合, 画像検査が行われていない場合は除外


結果

276人中19人が除外され, 残りの257人中254人で腎臓エコー(RUS), 244人で排尿時膀胱尿管造影(VCUG)が行われていた

画像所見の異常
55%の患者で1つ以上のRUS異常所見を認めた
 ・RUSが施行された全例のうち42.5%が水腎症, 11.0%が皮質異常, 7.1%が膀胱壁肥厚やdebris
34%の患者で1つ異常のVCUG異常所見を認めた
 ・VCUGが施行された全例のうち27%が膀胱尿管逆流(VUR), 1.3%が重複腎盂尿管, 0.9%が膀胱内の異常
RUS異常所見の予測因子:
 ・生後1か月未満
 ・男児
 ・Escherichia coli以外の病原体
VCUG異常所見の予測因子はEscherichia coli以外の病原体のみ
RUSで正常であった児のうち17.7%ではVCUGで異常を認めた
 ・VUR15(Grade I-III 13, Grade IV 2), 排尿後残尿増加が2, 膀胱内異常が1


まとめ

・菌血症を伴っているUTIにおける画像検査所見で異常を認める割合は, 菌血症を伴っていない場合と比較して大きな差はないようである
・また, 菌血症の有無を問わず腎臓エコー所見が正常であってもVURなどの異常を伴うことはあるため注意すべきである

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